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有機フッ素塗料の人体への影響は?安 全な外壁塗料を選ぶコツを解説!

2026.03.02

● 塗装会社からフッ素塗料をすすめられたが、人体に影響はないのか
● フッ素塗料を塗ったときに、PFASが雨水に溶けるような危険はないのか
● フッ素塗料によって自宅や近隣住民に影響が出ないか心配
外壁塗装工事前の塗料選びでフッ素塗料を検討している方のなかには、このような悩みを抱え ていると思われます。
一口にフッ素塗料といってもさまざまな種類があり、なかには人体に悪影響を及ぼす危険なもの も存在しています。
しかし、フッ素塗料すべてが危険なわけではないため、安全かどうかを自分でチェックしましょう。
今回は、有機フッ素塗料の人体への影響や、安全なフッ素塗料を選ぶコツを解説するので、参考 にしてみてください。
この記事でわかること
● フッ素塗料の人体への影響とPFASとの関係
● 安全なフッ素塗料の見抜き方
● 自宅や近隣住宅への影響を抑えるコツ

フッ素塗料は体に悪い?気になる「有機フッ素化合物」との関係

テレビなどでよくフッ素の危険性が伝えられていますが、本当にフッ素塗料が危険なのでしょう か。
ここでは、フッ素塗料と有機フッ素化合物との関係を解説します。

塗料に使われるフッ素樹脂と、問題のPFAS(PFOA等)は別物?

PFAS(ピーファス)とは、有機フッ素化合物の総称であり、その中にはフッ素樹脂も含まれます。
ただし、外壁塗装に用いられるフッ素樹脂は、問題視されているPFOS(ピーフォス)やPFOA (ピーフォア)とは性質が異なります。
PFASが問題視される機会が増え、「フッ素樹脂=危険」と感じている方もいるかもしれません。
これらは「化学物質の製造や輸入に関する法律(化審法)」により第一種特定化学物質に指定さ れ、現在は製造および使用が禁止されています。
一方で、塗料やフライパンなどに使用されているフッ素樹脂は、これらの有害性が指摘されてい る物質とは別のものであり、同様に危険視される成分ではありません。

現在販売されている主要メーカー塗料の安全性

そもそもPFASは、炭素とフッ素が結びついた化合物です。
この化合物は自然界で分解されにくく、空気中に残りやすくなる問題があります。 しかし、塗料に使われているのは炭素ではなく、シリコンや酸素、フッ素との化合物です。 これらは有害な成分ではありません。
ただし、世界ではまだPFASが含まれたフッ素塗料が使われているケースがあります。 フッ素塗料すべてが危険なわけではありませんが、一部に危険性が残るため、使われている塗 料の安全性の確認が欠かせません。
基本的に、国内の主要塗料メーカーはすべてPFASが使われていない塗料を採用しています。 アステックペイントや日本ペイントなどの大手塗料メーカーであれば安心です。
しかし、セラミックやシリコン樹脂にフッ素化合物を組み合わせた、ハイブリット型のフッ素塗料も 存在しています。
塗膜が硬化し、塗装が安定したあとは化学的に安定した状態となるため、通常使用において空 気中や水に溶出する心配はほとんどありません。

「フッ素=危険」の誤解を解く:安定した高分子構造

PFASにはさまざまな種類がありますが、そのなかには水溶性・低分子・体に蓄積する性質があ るものがあります。
危険だと誤解されているフッ素樹脂もPFASの1つですが、塗料に使うようなものは分子量が大き いうえに安定した構造となっています。
体に吸収されずにそのまま体外に排出されるため、人体への影響は大きくありません。 安定した構造であるために自然界では分解されず、毒性が強まる心配がありません。 PFASすべてが危険ではないため、ご安心ください。
安全な化合物が使われている国内の塗料であれば、他の塗料と同じように安全に使える点を、 覚えておきましょう。

施工中・施工後に考えられる人体への影響

フッ素塗料自体は危険性が高い塗料ではありませんが、施工中は人体への影響が生じる可能 性があります。
ここでは、施工中・施工後に起こりうる影響を解説します。
あくまでも可能性であり、必ず発生するとは限らない点を承知おきください。

溶剤型(油性)塗料による「臭い」と頭痛・吐き気のリスク

シンナーのような有機溶剤が含まれている溶剤型塗料は、臭いにより頭痛や吐き気を催す可能 性があります。
長時間にわたり吸い込むと、睡眠障害や粘膜の炎症を起こす可能性があるため、体の不調があ れば医療機関を受診してください。
フッ素塗料には、有機溶剤を使用しない水性のものもあります。
水性塗料だからといって安心なわけではありませんが、溶剤型塗料と比べて臭いが弱いため、 頭痛や吐き気を催すリスクが下がっています。
体調に不安を覚える方は、水性の塗料が使えないか、塗装会社に聞いてみてください。

揮発性有機化合物(VOC)の放散とシックハウス症候群

VOCと呼ばれる揮発性有機化合物は、常温でも自然に蒸発して、空気中に混ざる臭いの強い有 機化合物です。
塗料に含まれる成分ではトルエン・キシレン・ホルムアルデヒドなどが該当し、光化学スモッグや シックハウス症候群を誘発するとされています。
先述したとおり、水性の塗料は臭いが弱いため、健康に不安がある方は覚えておきましょう。

乾燥後の壁に触れたり、雨水が流れたりしても大丈夫?

フッ素樹脂自体は健康に悪影響を及ぼす心配はありません。
フライパンのコーティングが剥がれて人体に取り込まれる可能性がありますが、体内に吸収され ずに体外に排出されるため、健康に悪影響を及ぼしにくいといえます。
塗料に使われるフッ素樹脂も同じであり、仮に乾燥した壁に触れたり雨水で流れたりして吸入し た場合でも、体内に蓄積しにくい性質とされています。
フッ素樹脂自体は積極的に体内に吸収すべきものではありませんが、外壁に使用した室内での 生活には問題はありません。

【チェックリスト】安全なフッ素塗料を選ぶための基準

フッ素塗料には危険なものと安全性が確保されているものがあるため、自分で安全かどうかを確 認しましょう。
ここでは、安全なフッ素塗料を選ぶ基準を解説します。

最高ランク「F☆☆☆☆(フォースター)」の確認方法

有機フッ素塗料の安全性には、表示なし・F☆☆・F☆☆☆・F☆☆☆☆の4つの規格が定められ ています。
これはJISやJASによる塗料の安全等級であり、☆が多くなるほど、シックハウス症候群の原因で あるホルムアルデビドの放出が少なくなります。
F☆☆☆☆となると放出量は1㎡hあたり0.005mgとなり、使用面積の制限がありません。 室内でも制限がなく使えて、人体への影響も少なくなります。
使っているときに吐き気や頭痛を催すリスクも大きく抑えられます。
塗料がF☆☆☆☆かどうかは、製品の表面や製品ラベル、箱や製品カタログなどにかかれてい ないかチェックしてください。
仕様書に記載されているケースもあるため、併せて確認してみましょう。

水性フッ素塗料と溶剤型フッ素塗料の違いと選択基準

水性フッ素塗料は、主成分が水の塗料です。
シンナーを使っていないため臭いが弱く、使用中に気分が悪くなるリスクが抑えられます。
かつて水性フッ素塗料は塗膜が弱くなるデメリットがありましたが、研究の結果、耐久性能が上 がりました。
塗装後にしっかりと乾燥させる必要があるものの、耐久性能に問題はありません。
溶剤型のフッ素塗料は、主成分が溶剤であるシンナーで作られた塗料です。 溶剤を使い、強い塗膜と密着性を作り出し、剥がれにくい性質があります。 耐久性能が高いため、昔はほとんどの塗料が溶剤型でした。
しかし臭いが強いうえに健康への悪影響が考えられるため、取り扱いには有機溶剤作業主任者 の資格が必要です。
今では人や環境への影響が少ない弱溶剤塗料が開発されていますが、水性の塗料よりも臭い が強い点は変わりません。
水性塗料のほうが低価格で臭いが控えめで扱いやすいなどの点から、素人のDIY塗装におすす めです。
しかし、耐久性能は溶剤型塗料に軍配が上がるほか、溶剤型塗料のほうが乾燥させる時間が少 なくて済みます。
溶剤型塗料は、取り扱いを熟知した職人が施工する際の外壁塗装などがおすすめです。

大手メーカー(日本ペイント・エスケー化研等)の環境対策

日本ペイントでは、シンナーの代わりに水を使った塗料を開発しており、揮発性有機化合物の排 出量を9割減らしました。
先ほど解説したように、水を使った塗料は臭いが弱いため、環境対策と同時に健康へのリスクが 抑えられます。
エスケー化研も、「水性セラタイトF」と呼ばれる水性フッ素塗料を開発しており、低汚染性を実現 しました。
ベースがフッ素樹脂であるため耐候性が高く、溶剤型塗料と比べて安全に使えます。
このように、大手メーカーでは環境対策を施した有機フッ素塗料を開発しており、人体や周辺環 境への影響が不安な方は、検討してみてはいかがでしょうか。

自分と近隣住民を守る!塗装工事中の具体的対策

フッ素塗料の塗装は、自分たちや周辺への影響が考えられるため、工事中の対策が欠かせませ ん。
最後に、塗装工事中におこなうべき対策を解説いたします。

施工中の換気と窓の閉め方のコツ

有機フッ素塗料で外壁塗装をしている場合は、臭いが住宅内に入るため、窓を開けられません。 窓を開けられないときの換気は、換気扇を使いましょう。
塗装作業をしていないときは、勝手口や玄関の戸を開ける換気も利用できます。
室内の空気をきれいにしたいのであれば、空気清浄機でほこりを取り除くのがおすすめです。 サーキュレーターや扇風機で空気を循環させれば、より効果的です。

子どもやペット、化学物質過敏症の方への配慮

生後6か月未満の赤ちゃんは、臭いによる体調変化が起こりやすくなります。 赤ちゃんがいる部屋を完全密閉にして、24時間換気システムを局所排気にするなど、赤ちゃんの 部屋を換気しないように配慮しましょう。
赤ちゃんがいる場所に近い場所を塗装しているときは、ベビーベッドごと移動させる対策もおすす めです。
犬や猫などの動物は、人間の数十倍もの嗅覚を持っています。
そのため、有機溶剤塗料のような臭いの強い塗料を使うと食欲低下や嘔吐、下痢などの症状が 起こりえます。
犬や猫を塗装箇所から離れた部屋に移動させて、あればVOC吸着マットを床に敷いておいてく ださい。
散歩は、塗装作業をおこなっていない時間帯に済ませましょう。
化学物質過敏症の方は、わずかな臭いでも呼吸困難や動悸などを引き起こすおそれがありま す。
そういった方は、活性炭が入ったVOC吸着対応マスクを着用しましょう。
塗装作業に立ち会わなくてもよいのであれば、作業中は外に出かけるなどして、VOCを吸わない ようにしましょう。

優良な塗装会社がおこなっている環境・安全対策とは

優良な塗装会社には、国内の規制対象となるPFOAなどを使っていない代替塗料を使用する環 境対策を導入するケースもあります。
有機溶剤を使っていない水性のフッ素塗料を使い、VOCの排出を減らす対策もおこなっていま す。
自分たち家族と近隣住民の健康を守るために、環境・安全対策に力を入れている優良な塗装会 社に依頼する方法は有効です。

【コラム】市原市の瓦屋根なら補助金が使える可能性があります

市原市では、一定条件を満たした瓦屋根の葺き替え工事に対し、補助制度を設けています。 外壁塗装と同時に屋根工事を検討する場合、費用負担を抑えられる可能性があります。 制度内容は年度ごとに変更されるため、事前確認が必要です。
市原市:屋根瓦の吹き替え工事に対する補助金制度

まとめ:フッ素塗料は正しく選べば安全で経済的

フッ素樹脂には1万を超える種類があり、まとめてPFASと呼ばれますが、PFASすべてが有害な わけではありません。
しかし、シンナーを使った塗料は、臭いにより頭痛や吐き気を催す可能性があるため、窓を開け られません。
換気扇を使ったり、塗装時間外に玄関などを開けたりして換気しましょう。 優良な業者は、水性フッ素塗料などのVOCの排出を抑えた製品を使っています。
外壁塗装の際には、安全で経済的なフッ素塗料を検討してみてはいかがでしょうか。

石井聡

記事の監修者

石井イノベーションサービス 株式会社

代表取締役 石井 聡

2008年に石井イノベーションサービス 株式会社設立。
市原市・袖ケ浦市を中心に外壁・屋根工事業を展開し、月10件、年間150件以上の実績を重ねる地域密着型の専門家。
青葉台、姉崎地区、有秋地区、桜台地区、泉台地区、千種地区など、地元密着で活動しており、「お客様第一」のモットーのもと、質の高い提案・施工を追求。
現場経験に基づくリアルな視点と、地域の暮らしを支える実績を活かし、コンテンツの信頼性向上に貢献しています。
お客様の安心と満足を10年先、20年先まで支えることを使命とし、社員とともに挑戦を続けています。