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マンションの外壁塗装はいつ実施するべき?よくある劣化サインとメンテナンスの流れを解説

2025.03.01

● マンションの外壁塗装をするタイミングを知りたい
● マンションの外壁塗装が劣化している特徴を教えてほしい
● 塗料の種類によって外壁塗装のメンテナンスがどう変わるのか知りたい

マンションの外壁は、常に雨水や紫外線、直射日光に晒される環境下にあるため、高品質の塗料を使用していても経年劣化を避けられません。
しかし、戸建住宅のように独断でメンテナンスのタイミングを決められないからこそ、再塗装する時期に悩む管理組合やオーナーさんもいます。
外壁塗装のような大規模修繕となると、マンションで生活している所有者や借主にも影響が出るからこそ、計画的なメンテナンスプランを立てましょう。

この記事でわかること
● マンションの外壁塗装でよくある劣化サイン
● マンションの外壁塗装を実施するべき周期とタイミング
● 塗料別の外壁塗装の費用相場と特徴

マンションの外壁塗装を検討するべき劣化サイン

マンションの外壁塗装を後回しにすると、美観が損なわれるだけではなく、雨漏りや躯体部分の腐食の原因になる恐れがあるため注意が必要です。
ここでは、マンションの外壁塗装を検討するべき劣化サインを解説します。
当てはまる劣化サインがあれば、専門家に現場調査をしてもらいましょう。

チョーキング・色あせ

外壁塗装を手で触れたときに白い粉末状の物質が付着する場合、「チョーキング現象」と呼ばれる劣化サインの可能性があります。
また、外壁塗装の色が塗りたてのときよりも薄くなっていたり、日当たりの良い場所と悪い場所で変色の差がでたりしている場合は「色あせ」の症状が疑われます。
チョーキングや色あせの原因は、経年劣化によるものです。
早急に外壁塗装の塗り替えが必要になるわけではないものの、塗膜の防水性や保護性能が低下している証拠なので経過観察を怠らないようにしましょう。

ひび割れ(クラック)

外壁塗装の表面にひび割れが入っている場合、進行状況によっては雨漏りの直接的な原因になる恐れがあるため要注意です。
0.3mm以下の「ヘアークラック」は劣化の初期段階のため経過観察でようすを見ても問題ありませんが、0.3mm以上の「構造クラック」は危険性が高いとされています。
塗膜だけではなく躯体部分の奥までひび割れが進んでいる可能性があるため、雨水の浸入経路になると雨漏り・内部腐食の二次的な被害が懸念されます。

塗膜の剥がれ

外壁塗装の表面の一部が剥がれている場合、外壁材が塗膜によって保護されない状態になっているため防水機能の低下が懸念されます。
剥がれた隙間から雨水や汚れが外壁材に触れると、内部腐食やカビの原因になります。
また、塗膜の剥がれた部分に雨風のダメージを受けると塗膜がどんどん剥がれていき、経年劣化の促進、塗膜の飛散による近隣トラブルに繋がりかねません。

タイルの浮き・剥がれ

タイル外壁のマンションでは、経年劣化でタイルの接着力が弱くなると浮く・剥がれるなどの劣化サインが見られ始めます。
放置すると、タイルの一部が落下して住民や通行人を巻き込む大事故に発展したり、浮いた隙間から浸水して経年劣化が進んだりする懸念があります。
一目見てわかる場合もありますが、専門家が実施する打診検査(異常音の有無)で劣化状況がわかるケースも多い傾向です。
つまり、素人のセルフチェックでは見落としが起きてしまう可能性があるため、タイル外壁に関しては定期点検が重要といえるでしょう。

コーキングの割れ

コーキングとは、外壁塗装の隙間の防水性を高めるために埋め込まれる樹脂材です。
外壁塗装と同様に雨水や紫外線、直射日光などの刺激によって経年劣化が進み、弾力性がなくなりひび割れや剥離による雨漏りリスクが懸念されます。
また、コーキング材の劣化は、外壁塗装の劣化を引き起こす原因の一つです。
ひび割れが初期段階で見つかれば、コーキング材の打ち替えや打ち増しなどの部分補修で修復できます。
一般的には、外壁塗装よりもコーキング材のほうが耐用年数が短いため、定期的なセルフチェックを心がけましょう。

コンクリートの剥離

コンクリート外壁のマンションでは、経年劣化によって表面の剥離が起こります。
表面が剥離すると躯体部分の鉄筋が露出して酸化や錆びの発生を引き起こし、さらに剥離が進行する「爆裂現象」につながります。
建物全体の耐久性の低下により安全性が損なわれる恐れもあるため、早期補修と外壁塗装で耐久性を元通りにしなければなりません。
コンクリート材の劣化サインは、セルフチェックがむずかしい場合もあるため、専門家の定期点検を受けるのが良いでしょう。

マンションの外壁塗装が重要な理由

マンションの外壁塗装は、見た目をきれいに維持する他にも建物の寿命を伸ばす重要な役割を担っています。
とくに複数のご家庭が集合しているマンションのメンテナンスを怠ると、管理組合へのクレームや資産価値の低下を招く恐れもあるため、注意が必要です。
ここでは、マンションの外壁塗装が重要とされる理由を解説します。

美観性を高める

まず第一に外壁塗装は、建物の外観をきれいにします。
経年劣化が進むと色あせや汚れ、ひび割れなど古びた印象を与えてしまいますが、外壁塗装でメンテナンスするだけで新築のような見た目を取り戻せます。
外観の美観性は、売買取引における購入希望者や賃貸借契約における入居希望者を見つける際に優位に働くでしょう。
つまり、空室率の改善と資産価値の維持に大きく影響するポイントです。

建物の躯体部分を保護する

多くの方が「外壁塗装は、マンションをきれいに保つために行うもの」と認識していますが、本来の目的は雨風や紫外線などのダメージから建物を保護する役割を担っています。
経年劣化により塗膜が古くなると、ひび割れや剥離によって隙間から雨水が躯体部分に浸水し、内部腐食や雨漏りを引き起こす可能性があるでしょう。
とくにマンションでは鉄筋コンクリート造が多く、躯体部分に大規模な劣化が発生すると、修繕工事のコストも高くつきます。
適切なタイミングでの外壁塗装や部分補修などのメンテナンスは、経年劣化を遅らせ、建物に無駄な劣化症状を引き起こさせないために役立ちます。

低下した機能性を元通りにする

外壁塗装には、次のような機能性が備わっています。

● 防水性:雨風から建物を守る
● 遮熱性:直射日光の熱の侵入を防いで室温調整をする
● 断熱性:熱の伝わりを鈍くして冷暖房効率を高める

たとえ外壁塗装の表面に大きな劣化サインが見られなくても、経年劣化が進むと機能性の低下を避けられません。
防水性が低下すると雨漏りや内部腐食など建物全体にわかりやすい悪影響が出ますが、遮熱性や断熱性は室温調整が低下すると、気づかない間に光熱費が高くなる恐れがあります。
こういった理由から、適切なタイミングで外壁塗装のメンテナンスを施すと、生活のランニングコストを削減するメリットにつながります。

ひび割れや塗膜の剥がれを補強する

外壁塗装のひび割れや塗膜の剥離が発生している場合、経年劣化もしくは躯体部分の老朽化が疑われます。
これらを放置すると、必ず雨水の浸入経路ができて内部腐食を引き起こし、修繕費用の高額化を避けられません。
「劣化サインが小さければ後でまとめてメンテナンスすれば良い」と考える方もいますが、こまめな部分補修は深刻な経年劣化や物件トラブルを未然に防ぐために効果的です。
外壁塗装も同じペースで経年劣化が進むわけではないため、劣化サインを見落とさずにメンテナンスを検討しましょう。

マンションの外壁塗装を放置するとどうなる?

マンションの外壁塗装を放置すると、次のような悪影響が懸念されます。

● ひび割れや剥離箇所から雨漏り
● 雨水の浸水による内部腐食と経年劣化の促進
● 色あせやひび割れによる美観の損失
● 資産価値の低下

マンションの外壁にいくつかの劣化サインが見られたら、それは外壁塗装の経年劣化が疑われるため、専門家に現地調査をしてもらい、必要部分の補修やメンテナンスをおこなうべきです。
しかし、マンションのように所有者が複数いる場合は、所有者1人の独断でメンテナンスできません。
修繕積立金を出し合っている人たちで話し合いが必要になりますが、コストがかかるからといってメンテナンスを後回しにすると、将来的にそのツケが回ってきます。
経年劣化や不具合が発覚した初期段階でメンテナンスをすれば小規模で済んだはずの工事が、放置したために被害箇所が増えると大規模工事に発展します。
修繕積立金だけでは足りず、追加費用を請求される事態に陥る可能性もある点を踏まえて、適切なタイミングでのメンテナンスを心がけましょう。

マンションの外壁塗装を実施すべき周期とタイミング

ここまでマンションの外壁塗装をおこなうべき理由や放置するリスクをお伝えしました。
しかし、外壁塗装の重要さは理解したものの「具体的にどれぐらいの周期でメンテナンスするべき?」と疑問を持たれた方も多くいるでしょう。
ここでは、マンションの外壁塗装を実施すべき周期とタイミングを解説します。

平均修繕周期は約13年

国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によるマンションの大規模修繕工事の平均修繕周期の結果は、次のとおりです。

データを見てわかるとおり、マンションの大規模修繕工事の平均修繕周期で最も多いのは13年、全体の7割が12〜15年で実施しているとわかります。
とくにマンションでよく見られる鉄筋コンクリート造では、経年劣化による防水機能の低下が進みやすいため、計画的な修繕プランを立てる必要があります。
こちらのデータはあくまで平均値となっており、建物の立っている地域や立地の条件によって経年劣化の速度が異なります。
そのため、これからご紹介する2つのタイミングを考慮しながら、メンテナンス時期を検討しましょう。

外壁塗装の劣化サインが見られたタイミング

マンションの外壁塗装に劣化サインが見られたら、平均修繕周期に達していなくても、専門家の現場調査を受けた方が良いでしょう。
具体的な劣化サインは、次のとおりです。

● 色あせ
● チョーキング
● ひび割れ
● 塗膜の剥がれ
● コーキング劣化
● コケ、カビの発生
● 雨漏り など

これらの症状が見られる場合、何かしらの理由で外壁塗装の防水性や耐久性が低下している可能性が高いです。
現場調査をした結果、現時点では経過観察で良いと判断されるケース、部分補修が必要なケース、大規模修繕が必要なケースに分類されます。
タイル外壁やコンクリート外壁は、目視で確認できない劣化もあるため、セルフチェックのみに頼るのではなく、定期点検が重要です。

塗料の耐用年数を迎えたタイミング

外壁塗装のメンテナンス頻度は、使用する塗料によっても異なります。

塗料の種類

耐用年数

アクリル

5〜8年

 ウレタン

7〜10年

 シリコン

10〜13年

 ラジカル制御型

12〜15年

 フッ素

15〜20年

 無機

15〜25年

このように塗料別の耐用年数を見てわかる通り、種類によって最大5倍のギャップがあります。
今回紹介している塗料の他にも、ピュアアクリルや光触媒、ナノテク、塗装会社がオリジナル開発したものなど多種多様です。
はっきりとした外壁塗装の劣化サインが見られていなくても、塗料の耐用年数を迎えたあたりで専門家の現地調査を依頼してみても良いでしょう。

マンションの外壁塗装の流れ

マンションの外壁塗装では、大きな音や独特な匂いが発生するため、住民や近隣の方に配慮したうえでメンテナンスがおこなわれます。
具体的なマンションの外壁塗装の流れは、次のとおりです。

1. 近隣への挨拶:騒音や異臭、工期に関する説明作業
2. 足場設置:職人さんの安全性と施工品質の維持
3. 養生:外壁周辺(窓、ドア、付帯設備など)の保護
4. 高圧洗浄:古い外壁や汚れ、カビを除去
5. 下処理:ひび割れ補修、コーキングの打ち直しなど
6. 外壁塗装:下塗り・中塗り・上塗りの3工程で施工(塗料によって変動あり)
7. 完了検査:施工不備のチェック
8. 足場の撤去・清掃:建物の原状回復

外壁塗装の防水効果や保護性能を最大限に発揮するためには、正確に物件状態を把握して、必要な補修をしたり高圧洗浄できれいに汚れを落としたりする作業が欠かせません。
マンションの規模やメンテナンス内容、天候によって異なりますが、一般的な住宅塗装の工期は最低でも2週間以上を見積もってください。

マンションの外壁塗装の費用相場と費用を抑えるコツ

マンションの外壁塗装は、回数や使用する塗料などの条件によって費用に大きなギャップが生じます。
修繕積み立て費用の負担が大きくならないような工夫が必要ですが、安く抑えようとするとメンテナンス頻度が増える可能性があるため、冷静な判断が必要です。
ここでは、階数と塗料別の費用相場をお伝えしたうえで、マンションの外壁塗装の費用を抑えるコツを解説します。

階数別の費用相場

階数別の費用相場は、次のとおりです。

階数

費用相場

3階建て

130〜410万円

 4階建て

340〜550万円

 5階建て

450〜670万円

 6階建て

540〜820万円

 7階建て

630〜950万円

足場の設置や作業の難易度、塗装面積などの兼ね合いから、低層マンションよりも高層マンションのほうが工事費用は高くつきます。
ここでお伝えしている費用相場は建物全体の金額であり、高層マンションほど住戸数が増えるため、必ずしも総支払い額が大きいからといって1戸あたりの負担額が増えるとは限りません。

塗料別の費用相場

塗料別の費用相場は、次のとおりです。

塗料の種類

費用相場(1㎡あたり)

耐用年数

アクリル

1,000〜1,500円

 5〜8年

 ウレタン

1,800〜2,500円

 7〜10年

 シリコン

2,500〜3,500円

 10〜13年

 フッ素

3,500〜5,000円

 12〜15年

 無機

4,000〜5,000円

 15〜25年

塗料の種類は、最大5倍ほどの費用差があります。
注意するべき点としては、費用相場が安い塗料ほど耐用年数が短い傾向にあるため、頻繁にメンテナンスが必要になる可能性が高いです。
マンションの外壁塗装においては、足場の設置費用も高くつくため、耐用年数を考慮した塗料選びが長期的なコスパにつながります。

外壁塗装の費用を抑えるコツ

外壁塗装の費用を抑えるコツとして、次のポイントを押さえましょう。

● 相見積もりで適正価格の確認
● 助成金・補助金の活用
● 屋根修理との同時メンテナンス

塗装会社によってメンテナンス費用やストックしている塗料の種類は異なるため、最低でも2〜3社ほどに見積もり依頼を出すと、おおよその相場感をつかめます。
また、提案力や技術力などを比較できるため、悪徳業者に引っかかるリスクも避けられるでしょう。
地域によっては住民の住環境を整える目的で外壁塗装の助成金や補助金を提供している場合があるため、適用要件を満たしているのであれば申請するのがおすすめです。
そして、外壁塗装と屋根修理を別々に実施するとその都度足場の設置費用が発生しますが、同時にメンテナンスすればコスト削減につながります。

まとめ

マンションの外壁塗装は、美観を保つだけではなく建物の寿命を延長したり機能性を回復させたりするために欠かせないメンテナンスです。
管理組合やオーナーさんは、セルフチェックや定期点検をおこない、推奨される修繕周期を目安に、適切なタイミングでメンテナンスを実施するようにしてください。
コスト面で不安があれば、長期的な視点での塗料選びや屋根修理との同時メンテナンス、自治体の助成金などを有効活用しましょう。

石井聡

記事の監修者

石井イノベーションサービス 株式会社

代表取締役 石井 聡

2008年に石井イノベーションサービス 株式会社設立。
市原市・袖ケ浦市を中心に外壁・屋根工事業を展開し、月10件、年間150件以上の実績を重ねる地域密着型の専門家。
青葉台、姉崎地区、有秋地区、桜台地区、泉台地区、千種地区など、地元密着で活動しており、「お客様第一」のモットーのもと、質の高い提案・施工を追求。
現場経験に基づくリアルな視点と、地域の暮らしを支える実績を活かし、コンテンツの信頼性向上に貢献しています。
お客様の安心と満足を10年先、20年先まで支えることを使命とし、社員とともに挑戦を続けています。