これで失敗しない!【外壁塗装見積書 】の見方・チェックすべき全11項目と 悪徳業者を見抜くポイント
● 外壁塗装の見積書に書かれている内容がとにかくわかりづらい
● 何か、業者にごまかされているような気がしてならない
● 見積書はどこを見ればいいのかがわからない
このような悩みを持っている方がいらっしゃいます。
外壁塗装工事をおこなううえでは、必ず見積書が発行されます。
見積書は業者が自由に記載できるため、難しい専門用語が記載されている場合があり、素人はどのように見ればいいのかが判断できません。
見積書には、良い業者か悪徳業者なのかを見抜くポイントがあるため、事前に見方を知っておきましょう。
ここでは、見積書でチェックすべきポイントを解説するので、参考にしてください。
この記事でわかること
● 見積書で注意するべきポイント
● 見積書で悪徳業者を見抜く方法
● 適正価格を判断するための相見積りの取り方
はじめに:なぜ外壁塗装の見積書をチェックする必要があるのか?
外壁塗装で失敗したり後悔したりするのは、見積書の不備に気がつかなかったのが原因です。
悪質な業者の場合は、意図的に安い見積りを出して、あとから追加費用を請求します。
また、安い塗料を不適切に使って、仕上がり後の利用者の生活を何一つ考えていないケースもあります。
こうしたトラブルは、見積書をチェックすれば回避できるため、見積書の見方を覚えておかなくてはいけません。
そもそも見積書は業者との契約書です。
見積書の内容をしっかりと理解して納得するのが、外壁塗装を成功させるうえで重要です。
こちらの記事では、見積書のチェック項目や悪徳業者の見抜き方を解説しているため、適正価格で請け負ってくれる業者を見つけられます。
外壁塗装の見積書で「必ず」チェックすべき基本の5項目
外壁塗装の見積書は専門用語が並ぶため、どこをチェックするべきなのかがわからない方も多いでしょう。
どこをチェックすればよいのかを把握しておくと、難しい用語ばかりの見積書でも、危険かどうかの判断が可能です。
ここでは、外壁塗装の見積書で必ずチェックするべき項目を、5つに分けて解説するので参考にしてください。
【総額】一式表記は要注意!詳細な内訳があるか確認しよう
たとえば、コーキング作業一式、塗装作業一式といった具合に記載されているケースがあります。
見積書に「塗装作業一式2,500,000円」と記載されていた場合、なぜ250万も費用が発生するのかわかりません。
詳細な内訳が記載されている場合は、どこにどの程度の費用がかかるのかが明確です。
「3,000円のコーキング作業×20m分」といった具合に、単価×数量で記載されている場合は信頼性が高まります。
もし「一式」と記載があれば、具体的にどの範囲を作業するのか、どのような作業をするのか、なぜこの金額になったのかを詳しく聞いてみましょう。
【塗料】メーカー名・製品名・グレードまで具体的に記載されているか
塗料は、外壁塗装の品質(グレード)で施工価格を決める大きな要因となります。
アクリル塗料やウレタン塗料といった抽象的な表記は注意が必要です。
どこのメーカーのものかわからない塗料の場合、クオリティが低い塗料を使っているかもしれません。
外壁塗装が役目を果たせず、数か月でまた外壁塗装が必要になる危険性も考えられます。
たとえば「○○ペイント アクリル塗料 △△」といった具合に、具体的な製品名が記載されているかどうかをチェックしてください。
さらに、外壁塗装は下塗り・中塗り・上塗りとで使用する塗料が違うのも、注意しなければいけません。
どのような塗料が使われているのか、同じ塗料にしていないかをチェックしましょう。
外壁塗装は壁だけではなく、破風板、幕板、雨樋、小庇、雨戸、戸袋、シャッターボックス、軒天などの付帯部と言われているカ所の塗装もございます。これらの施工カ所の塗料も確認が必要です。壁塗料の品質(グレード)を良いものに選定したにもかかわらず、使い回しが良いグレードの低いものを使用している業者が多い為です。壁も付帯部も塗料の品質(グレード)を合わせて塗装することをお勧めいたします。
最後に、塗料の使用缶数が適正かどうかも、チェックしてください。
塗料の缶数が適正かどうかを判断するには、以下の手順でわかります。
1. 塗装面積を算出
2. 塗料メーカーのホームページへアクセス
3. 1㎡・1回塗りあたりに使用する量と、算出した塗装面積を確認
外壁の塗装面積は、坪数に3.31をかけて平方メートルに換算して、1.1〜1.4の係数をかければ算出が可能です。※建物の高さで多少前後します
屋根の面積は、1階床面積に1.2~1.6の係数をかける※1階と2階の床面積が極端に相違がある場合は前後します
☆見積書の塗装面積で気を付けた方が良いこと
窓や玄関扉など、外壁に付随していて塗らない部分の面積が入っていないかを確認。
【施工面積】実測値か図面からの算定か?正確な計測がされているか
使用する塗料の缶数や足場設置、高圧洗浄は塗装面積から算出されます。
そのため、施工面積をどのように算出しているのかもチェックが必要です。
適正な塗装面積は、先ほど解説したのと同じように以下の計算式で算出できます。
坪数×3.31×1.1~1.4(係数)
複雑な形状になっており面積が出しづらい場所でも、明確な根拠をもって算出されたかどうかが重要です。
見積書に施工面積が確認できない場合は、雑に計算された可能性が考えられます。
また、記載されている面積が上記の計算式の結果と大きくかけ離れている場合も理由を聞いておきましょう。
【工事内容】工程ごとの作業内容が具体的に記載されているか
外壁塗装は一度塗って終わりではなく、基本的に以下の手順で進みます。
1. 高圧洗浄
2. 下地処理
3. 下塗り
4. 中塗り
5. 上塗り
塗装作業だけでも3回の工程に分かれていて3回おこなわないと、塗料の性能が発揮できません。
工程ごとに作業内容が具体的に記載されているかどうかを、チェックしておきましょう。
とくに、下塗りと中塗りは、塗装作業が終わると作業部分が隠れるため、この2工程を省く業者が存在します。
下塗りや中塗り材で使う塗料の種類も記載されていれば、業者の信頼性が高いです。
【付帯工事】漏れや追加費用につながる項目はないか
付帯とはメインの外壁を除いた部分であり、具体的には軒天や破風、雨樋といった部分です。
これらの付帯部分の塗装箇所が記載されているかどうかを、チェックしておきましょう。
記載されていない場合は、追加費用の発生につながります。
さらに、付帯部分の一部が塗装されていなかったなどのトラブルも起こりえます。
見積書に記載がない場合は、必ず付帯部分の塗装について聞いてみてください。
また、外壁塗装工事には、足場や飛散防止ネット、養生や仮設トイレの設置なども必要です。
これらの項目も追加費用につながるため、あるかどうかをチェックして、ない場合は上記の項目について聞いてみましょう。
要注意!「悪徳業者」を見抜くためのチェック項目6選
外壁塗装を請け負う業者のなかには、雑な工事をおこなったり、不当に高い費用を請求してきたりする業者が存在しています。
これらの業者は、見積書を見れば事前に見抜けます。
ここでは、悪徳業者を見抜くためのチェック項目を6つ解説するので、参考にしてください。
見積書に「保証期間」と「保証内容」が明記されているか
まずは、見積書に保証期間と保証内容が記載されているかどうかをチェックしてください。
保証は、外壁塗装や塗料に不具合があったときに無償で修理工事をしてくれる、重要な要素です。
しかし、口頭で説明しただけで、実際に不具合が起きたときに「見積書にないため、保証は適用されません」「保証書がないので保証対象外となります」といわれるケースがあります。
保証内容が記載されている場合は、何年その保証が続くか、具体的な内容と期間が記載されているかどうかをチェックしておきましょう。
外壁塗装であれば、保証期間は5年前後が一般的です。
契約書とは別に「見積書の有効期限」が設定されているか
見積書には有効期限が存在するため、注意してください。
基本的には、1か月程度が有効期限です。
しかし注意が必要なのは、1週間以内などあまりにも短い期間が設定されているケースです。
この場合は、契約の即決を迫る悪徳業者かもしれません。
1週間程度など短い期間が設定されている場合は、なぜ期間が短いのかを質問しましょう。
「値引き」や「キャンペーン」が極端に大きい場合
たとえば、今だけ50万円引き、付帯部分の塗装無料など、値引きやキャンペーンがおこなわれるケースがあります。
足場代が今なら無料なんていうものもございます。例えば近くで工事をしているのでそこの工事が終わり次第その足場を持ってきて使用するので無料です。といったケースです。足場屋さんが無料で仕事をするわけがございません。
このように、極端な値引きには注意が必要です。
最初から法外な値段を提示しておいて、値引きで安く見せる手法があるためです。
値引きやキャンペーン適用後の価格が適正価格かどうかチェックしてください。
値引き後の価格が適正かどうかを知るには、相見積りを取るのがおすすめです。
相見積りとは、複数の業者から見積りを取る方法です。
もし値引き後の価格よりも、他社の価格のほうが大幅に安い場合は、値引きで安く見せる手法である可能性が高いため、注意してください。
補修工事(ひび割れ、コーキング)の費用が適切か
外壁塗装1つにしても、大まかに分けて以下の工程が発生します。
1. 現地調査
2. 足場設置
3. 養生
4. 部分補修
5. 高圧洗浄
6. 下地処理
7. 下塗り
8. 中塗り
9. 上塗り
それぞれに費用が発生するうえに、人件費も発生し、さらに業者によっては出張費用もかかるケースがあります。
単に「塗装作業一式」「事前準備」といった具合に記載されている場合は、なぜこの金額になったのかがわかりません。
上記の項目それぞれに詳細に費用が記載されていれば、どこにどの程度の費用がかかっているのかが明確です。
また現地調査をする際は足場がなく、実際に足場を設置して2階や3階を見てみたら、劣化症状を発見するケースがあります。
その場合は、見積りの他に追加費用が発生するかもしれません。
その追加工事が発生するかどうか、費用について事前の説明があるかどうかも重要です。
業者によっては追加費用が発生しないケースもあります。
しかし、事前に追加費用が発生する可能性がある場合でも、明確な金額についての説明があれば大丈夫です。
見積書に「担当者の名前」「会社の所在地・連絡先」が明確か
見積書には、担当者の名前や会社の所在地や連絡先が書かれているものです。
記載されている名前が、フルネームか担当や役職名のみではないかを、チェックしておきましょう。
もし担当や役職名のみであれば、その担当者が存在しない可能性が考えられます。
反対に、フルネームで書かれていて、連絡先まで記載されている場合は信頼性が高まります。
連絡先は、携帯の番号でなくて固定電話が記載されているのが理想的です。
また、会社の所在地は、郵便番号を含めて正確なものかどうかもチェックしましょう。
会社の所在地を検索してみて出てこなかったり、出てきてもアパートやマンション、テナントビルのような場所の場合は、その会社が存在しない可能性があります。
契約を焦らせていないか
悪徳業者は、とにかく契約を急がせるものです。
なぜなら、見積りを出したときには契約しようと思っても、冷静になって考えるとやはりやめておこうと考え直す可能性があるからです。
悪徳業者にとっては、お客様が考え直すのは契約を取れないリスクになります。
「今外壁塗装をしないと今の家に住めなくなる」「今契約しないとキャンペーンが終わっちゃう」といった具合に、緊急性をあおる場合は注意が必要です。
信頼できる業者は、お客様のニーズや速度に合わせて現地調査~契約までをおこないます。
現地調査の結果、状況や気候、立地条件に見合った塗料を提案して、その提案に関して比較検討をする時間を与えてくれます。
適正価格を判断するために:相見積りの賢い取り方
見積書に記載されている金額が適正かどうかを判断するには、相見積りを取るのがおすすめです。
ここでは、相見積りの取り方を解説します。
相見積りとは?
相見積りとは、外壁塗装の際に、1社からではなく複数社から見積りをもらう行為です。
それぞれの業者からもらった見積書を比較して、外壁塗装の適正価格を導き出します。
外壁塗装の専門知識がない場合は、自分だけでは適正価格を導き出すのは難しいため、相見積りを取る必要があります。
相見積りを取るのはマナー違反ではなく、優良な業者は相見積りの重要性をしっかりと理解しているものです。
そのため、マナーさえ守れば、相見積りを取ってもトラブルに発展する心配はありません。
相見積りを取る際の見積書の渡し方・見せ方
まずは、他社の見積額を口頭で伝えるだけに留めておいてください。
担当者の名前など、他社に知られてはいけない情報を伝えてはいけません。
もし見積書を見せる場合は、業者や担当者の個人情報が見えないように配慮する必要があります。
見積書のコピーを取って、個人情報が記載されている箇所を黒く塗りつぶす、個人情報が書かれている箇所に付箋を貼っておくなどで十分です。
業者間で金額が大きく異なる場合の判断基準
業者間で金額が大きく異なる場合は、塗料のグレードで確認します。
安価で耐久度が低いアクリル塗料と、耐候性が高いフッ素や耐久性が高い無機塗料とでは、同じ使用缶数でも費用は大きく異なるものです。
ちなみに、アクリル・ウレタン・フッ素・無機塗料の順に価格は高くなります。
見積書で、どの種類の塗料が使われているのかをチェックしましょう。
また、ひび割れ補修やコーキングの打ち替え、サビや古い塗膜を撤去するケレン作業など、下地処理があるかどうかによっても費用が変わります。
どのような下地処理がおこなわれるのかも確認してください。
相見積りを依頼する際の注意点とマナー
相見積りを取るときは、相見積りである点を伝えておいてください。
相見積りであるとわかれば、業者は見積りをもとに良い提案をしてくれる可能性があるからです。
ただし、他社の名前を伝えると不要なプレッシャーをかけるリスクになるため、他社の名前を出さないようにします。
そして相見積りを取る際は、必ず条件をそろえて依頼します。
たとえば、A社には「1階のみの塗装」、B社には「2階を含めた塗装」といったように内容がバラバラだと、見積金額が大きく違うのは当然です。
【コラム】市原市の瓦屋根なら補助金が使える可能性があります
市原市では、瓦屋根の全面改修を対象とした補助制度の「瓦屋根耐風改修促進事業」が設けられています。
強風被害を防ぐため、瓦の固定方法を改善する工事に対して補助が出る仕組みで、施工費の一部(上限あり)を市が負担するのが特徴です。
● 利用できる条件
市原市内の住宅
瓦屋根の全面改修(耐風性能の向上が目的)
市税の滞納がない
● 補助される費用
葺き替え工事の費用×23%
瓦屋根の面積(㎡)×2万4千円×23%
上記のどちらか少ないほうの金額(上限55万2千円)
外壁塗装と同じタイミングで屋根工事を検討する方は、補助金の対象になるかを事前に確認しておくと、総工事費を大きく抑えられる可能性があります。
※最新情報や細かな条件は市原市公式サイトをご確認ください。
まとめ:【外壁塗装の見積書】を武器に、安心・納得の塗装を実現しよう
外壁塗装の見積書を見抜けば、将来に起こるトラブルを避けられます。
作業が一式表記だったり、塗料のメーカー名やグレードが記載されていなかったりする場合は、注意が必要です。
さらに見積書の有効期限が極端に短かったり、契約を急かしてきたりする業者も悪徳業者の可能性があります。
こちらのチェックすべき11項目で確認すれば、悪徳業者に騙されるリスクを減らせるため、ぜひ参考にしてください。
【外壁塗装の見積書:チェックリスト】
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| 1. 作業内容が詳細に記載されているか | 「一式」ではなく、工程ごと・数量ごとに明記されている。 |
| 2. 使用する塗料のメーカー名・商品名が書かれているか | 「シリコン塗料」などの曖昧表記は要注意。 |
| 3. 塗料のグレード・性能が明確か | 耐久年数や塗料ランクが書かれている。 |
| 4. 保証期間・保証内容が記載されているか | ○年保証、どの不具合が対象など、具体的な表記がある。 |
| 5. 見積書の有効期限が妥当か | 1か月前後が目安。1週間以内は注意。 |
| 6. 極端な値引きがないか | 「今だけ50万円引き」などには要注意。 |
| 7. 補修費用が適正に記載されているか | コーキング・ひび割れ補修が単価で明記されている。 |
| 8. 追加工事の可能性と説明があるか | 足場設置後の追加費用について事前説明がある。 |
| 9. 担当者名・フルネームで記載されている | 担当不明・役職名のみは不安要素。 |
| 10. 会社の住所・連絡先が明確か | インターネット検索で実在するか確認可能。 |
| 11. 契約を急かす言動がないか | 「今日契約すれば…」などは要注意。 |

