外壁塗装に使える助成金制度とは?申請方法から受け取り活用までを解説
● 外装塗装に助成金は利用できる?
● どこに申請すればいいのかわからない
● 助成金以外で節約できる方法はあるのか
高額な外壁塗装は補助金や助成金を利用すれば費用を抑えられます。
助成金を利用できれば、塗料のグレードを上げて機能性の高い外壁にもできるなどメリットもあります。
今回は、外装塗装で利用できる助成金と、申請方法や注意事項について解説するので、外壁塗装の際の参考にしてみてください。
この記事でわかること
● 外装塗装に利用できる助成金とは
● 誰でもコツを抑えれば簡単申請方法
● 助成金を活用すれば賢く費用削減できる
助成金・補助金制度の基本を理解しよう
国や自治体では「暮らしやすさ」をサポートする助成金や補助金制度を設けています。
助成金や補助金を利用し、負担を軽減すると満足度の高い外装塗装をおこなえます。
資金の負担を軽くしてくれる助成金や補助金ですが、厳密には対象物が異なるのをご存じでしょうか。
ここでは助成金と補助金制度について解説します。
国・地方自治体が提供する制度の違い
助成金は住宅環境を整えるための制度で、一定の要件を満たしていれば必ず支給されます。
地方自治体が出資者となり、住宅の所在地や住宅の大きさ、何のために外装塗装をするのかなどを申し込み用紙に記入して提出するだけです。
塗装会社の指定がある地方自治体もありますが、外装塗装の終了後に必要な書類を提出すれば助成金が振り込まれます。
長期的に住み続けるためのリフォームやリノベーション・設備投資に対し国がサポートする制度が補助金です。
補助金は行政事業を目的としているため、予算と応募期間が決まっており、申し込み後に審査がおこなわれます。
予算内で補助金は支給されるため、目的や件数などが明確に決まっており、申請しても必ず受給できるとは限りません。
対象となる外壁塗装工事の条件
助成金や補助金を受けとるためには、外装塗装の目的が限定されています。
修繕が必要なため外装塗装をおこないたいような目的では、申請の対象にならないケースが多いため条件を確認してください。
助成金対象となる外装塗装工事の条件は以下の通りです。
● 申請地域に居住している
● 申請住宅の所有者または居住者である
● 税金の滞納がない
● 過去に同様の助成を受けていない
自治体によって外装塗装工事を対象とした助成制度を設けていない場合もあるため、各自治体のホームページなどでご確認ください。
温暖化によるヒートアイランド現象を緩和するために、屋根や外壁に高反射率塗料や熱交換塗料を使った外壁塗装工事の費用が助成されています。
東京都を中心として、各自治体で制度を設けていますので、ご自身がお住まいの役所のホームページで確認してください。
大阪府高槻市では3世代ファミリー定住支援としてリフォーム補助金制度 があり、外装塗装を対象とし上限20万円が補助されます。
品川区の住宅改善工事助成事業(エコ&バリアフリー住宅改修 )は、エコ住宅改修における遮熱性塗装が対象です。
このように各自治体では「塗装対象」ではなく、リフォームやECO事業の一環として助成制度を設けています。
遮熱塗料や断熱塗料であれば、メーカーや日射反射率の測定値を無視していいわけではなく、決められた基準値であることやメーカーや塗料が指定されているケースもあります。
補助金の金額・上限と申請時期
外壁塗装だけの助成金や補助金制度はなく、リフォームやバリアフリー・耐震性能工事内での給付対象です。
しかし、すべての自治体が同じ条件を対象としているわけではありませんので注意しましょう。
上限金額相場は、自治体によって異なりますが上限10万円〜20万円です。
補助金は年度で予算が決められているため、、現在は募集していない場合もあります。
助成金などを利用する際には、お住まいの自治体のホームページで検索し、最新の情報を確認するのがおすすめです。
年度が変わると予算も新しく組みなおされ、募集が始まるため、早めに助成金について情報収集しましょう。
助成金申請のノウハウを身につける
自治体で外壁塗装の助成金制度があれば、外装塗装を始めてください。
助成を受けるためには、着工前の申請とあわせて、工事完了後には報告書の提出をします。
指定の塗料を使っていても、すでに外装塗装工事が終わっている案件に関しては、対象外ですので注意してください。
ここからは、助成金を受けるための流れを解説します。
必要な書類・手続きの概要
申請に必要な書類は各自治体により異なるため、事前に確認してください。
一例としてこのような書類が必要です。
● 助成金交付申請書(ダウンロード可能)
● 施工にかかる費用と内訳がわかる見積書の写し等
● 建物所有者等の確認できる書類(登記など)
● 塗装工事の見積書・契約書
● 平面図・立面図・工事内容がわかる設計図面など
● 写真(施工前)
● 前年度の特別区民税・都民税納税証明書
施工完了後には、請求書や使用した塗料名などが書かれた報告書(塗装会社が提出)を提出し、確認後に助成金が支払われます。
外装塗装では「省エネ」や「断熱」の工事の一環に含まれている場合が多いです。
遮熱塗料や断熱塗料の使用条件として、塗装会社やメーカー・塗料の種類が指定されているか確認する必要があります。
特殊な塗料は施工実績が多い業者でなければ、数年で剥がれてしまうなどのトラブルにつながるため、地域密着の業者に任せる場合もあるようです。
必要提出については、窓口に問い合わせるなどして確認してください。
塗装業者選びと見積もりのポイント
塗装業者選びは、相見積もりから始まります。
足場代金・施工費用など、現場を見なければわからない内容もあります。
「現場を見ずに見積もりを出す」「無料で下見をして見積もりを出す」も、塗装業者の誠意や施工に対する取り組み方を判断する材料です。
まずは、地元密着であり助成金対象の工事ができる業者である、または指定がある場合には「指定業者」であるかも確認してください。
ある程度絞り込んだら以下をチェックします。
● 施工実績
● 塗装工事の保証
● 資格をもった職人が在籍しているか
● 担当者の対応
施工実績はホームページで確認でき、最低でも5年以上地元で外装塗装に携わっている業者を選びます。
外装塗装では、塗料のメーカー保証・施工ミスに対する自社保証があるのに加えて、リフォーム瑕疵保険に加入しているかを確認しましょう。
塗装は特殊技能が必要ですので、塗装技能士や外壁劣化診断士・建築士などの資格をもっていれば安心です。
外壁塗装は長い付き合いになるため、受け答えにブレがなく、対応が早く丁寧であるかを確認しておきます。
見積もりは、費用の記載方法が細かくわかりやすいのか、不明点はないかが重要です。
口頭で説明するのではなく、見積もりを見ただけで内容が伝わるように記載されているかをチェックします。
助成金受け取りまでの流れと期間
助成金受け取りまでの流れは、以下の通りに進めます。
● 助成金申請要件の確認
● 登録事業者(外装塗装会社)を探す
● 申請書の作成
● 助成金の申請
● 承認通知の確認
● 施工開始
● 報告書の提出
● 助成金の受け取り
外装塗装で利用できる助成金や申請要件を確認し、要件に当てはまっていた場合には、業者に見積もりを依頼します。
助成金の申請書には、施工面積や塗料の種類などを詳細に記載しなければならないため、業者に相談し適切な見積書を作成してもらいましょう。
見積り書から業者を選んだら、工事着工前に助成金の申請書を提出します。
承認通知が届いたら、業者に連絡を取り工事開始です。
報告書に写真が必要な場合には、自分で撮影するだけでなく業者にも依頼しておくと良いでしょう。
完了後は報告書と請求書、施工後の建物の写真など、必要書類をまとめ提出します。
工事完了報告書提出後には、定められた外装塗装がおこなわれたのか審査がされ、交付確定通知書が届けば助成金が支払われます。
助成金の申請後、審査を通過し外装塗装をおこない、完了報告の審査を通過すれば1〜2か月で受給されるようです。
助成金活用の際の注意事項と対策
申請すれば確実に助成されるとは言え、受け取るにはいくつか注意したい点があります。
どのような点に注意すればいいのか、スムーズに進めるにはどうすればいいかについて解説します。
支給条件や期間内に完了させるための工夫
助成金も応募期間がありますから、外装塗装を決めたら早めに支給条件や期間を調べておきます。
すでに締め切られていた場合には、年度明けに募集がないのか定期的に自治体のホームページやフリーペーパーを確認しましょう。
特に注意したいのは、いつまでに外装塗装をすると対象になるかです。
工事終了までの期間は、申し込み締め切り終了後まで続きますが期限が決められています。
期限までに外装塗装が終わっていなければ、無効となるケースがあるため注意が必要です。
申請枠が決まっていない場合でも、一定数の申し込みがあれば打ち切られます。
定員が決まっていなくても、募集期間よりも早く終わってしまう助成金制度もあるため注意しましょう。
助成金の中には、以前に他の助成を受けていると申し込みできないものがあるので、申請する際には注意が必要です。
申し込み内容を確認せず申請してしまうと、他の制度では対象になっていたのに募集が終わってしまっている場合も考えられます。
速やかに助成金を受け取るためには、情報収集をおこない早めに外装塗装スケジュールを計画し、申請準備を整えてください。
助成金以外の費用削減方法も活用
助成金が締め切られていた、以前に他の助成金を利用しており、申請ができない方もいるでしょう。
また、高反射率塗料や熱交換塗料を使った外装塗装は高額になるため、費用を賄うのに助成金だけでは十分ではありません。
外壁の損傷が地震などの自然災害によるものであれば、火災保険を利用できますが、契約内容にもよりますので注意してください。
リフォームに関わる住宅ローンを対象にした住宅借入金等特別控除は、条件をクリアすれば利用できます。
住宅ローンを利用する方は、条件にあてはまるのか確認しましょう。
少しでも費用を抑えるためには、見積もりをとって適正価格の業者を選ぶのが重要です。
地域密着型の業者であれば、助成金申請にも詳しいためサポートが受けられます。
まとめ
外壁塗装は高額な費用がかかるため、住宅ローンだけでなく助成金や補助金を利用しましょう。
10〜20万円程度の助成金・補助金が受け取れるため、事前に十分な準備をして申請をおこなうのが大切です。
国や自治体では、さまざまな目的の助成金や補助金が用意されているので、最新の情報を調べてから申請することをおすすめします。